新卒採用と経験者採用の一般論について
このブログははてなブログを使用していて、
ページを開けようとするとお勧め記事的なものが出ます。
そこで企業に新卒採用がどうのという記事があったので、
それに絡んだ話を書きたくなりました。
(なお、写真はイメージです)
いわゆる一流大手企業というのは、大体が新卒採用がメインですよね。
んでもって特許事務所とか、中小企業は中途採用が主力となります。
なぜそのような違いが出るのか。まあその記事では新卒なら
まず大手一流企業を目指せと載っていて、それは自分も同意します。
1人弁理士の特許事務所の場合は、通常は経験者を欲しがりますよね。
未経験者を採用することもありますが、新卒まで来ると
尻込みするケースが多いように思います。
組織が小さくなればなるほど、即戦力へのニーズが大きくなります。
給与を支払うということへの経済的負担の占める割合が極めて大きくなり、
直ちにアウトプットが欲しいと言うのが切実になります。
じゃあ普通は経験者、即戦力が欲しいのではないか
と言うとそうでもないですよね。組織が大きくなるごとに、
確かにすぐに戦力になる人が欲しいというのはどこも同じですが、
別の論理が優先して考えられるようになります。
組織が大きくなると、まず仕事を回転させて欲しいと言うより、
組織の秩序を尊重して欲しいと言う要望がより大きくなります。
数人の職場だとそんなのよりまず仕事して欲しいとなり、
何とかしてくれるなら、あとは経営者他回りの人間が我慢すればよい
だけです。まあ我慢できない零細の経営者が多く、そういう会社だと
定着率はぐっと下がるのですが、まともな人の応募も少ないから、
まともな経営者ならここはぐっと我慢、となります。
では組織の秩序って何かと言うと、ヒエラルキーの維持と言うことです。
もっと砕けたことをいうと、先輩は後輩より偉いってことです。
採用に年齢制限を設ける最大の理由はここだと思っています。
やっぱり年上には遠慮が出るし、後から入ってきた人が
上に上がっていくと、既存組織の秩序に影響を与えます。
そんなもの必要ないじゃないかという声も出そうですが、
年功序列の最大の長所は経験・ノウハウの伝承が進むと言うことです。
実力主義にすると、ノウハウがブラックボックス化します。
人を育てるメリットなんてあるの?というのが特許事務所の
一般的な姿でしょう。自分のメシの種を人に譲ってやる理由が
分からないというのは、ソフトハウスなんかでも見られる光景です。
年功序列化してしまうと、自分は上に行くから後はお前やれと、
そういう形で伝承が進むのでしょうね。これと配置転換を
うまく組み合わせるのが日本企業の人事の基本形なのでしょう。
組織が大きくなるごとに、経営に必要なのは営業・実務の
外向きのエネルギー以上に、内向きのエネルギーの比率が大きく
なるのではないかなと思います。
大きな組織にいるときはそれを不合理と感じ、小さな会社にいると
大きな会社は何でも揃ってて営業努力もかからずいいなとか
そういう話が出がちですが、それぞれに負担のかかるポイントは
違うのではないかと思っています。