弁理士試験口述試験の模試の問題を作るときの注意点
そろそろ前年の口述の落ちの人はもちろん、論文試験を受けて結果の分からない人も、
口述試験対応に本格的に取り掛かっている頃だと思います。
これを受けて、口述模試をする側も準備を進めている頃と思います。
会派だったり、各受験機関も口述模試をやっていますし、
受験生どうしでも問題を出し合ったりしているのではないでしょうか。
そんな中でどんな問題を出すかというのは重要です。
その際に私が考えるポイントを挙げます。
まず試験問題の範囲で言うと、広さの順に
特許>>商標>意匠
となります。
しかしこれに相反して問題のマニアック度というと、
意匠>>商標>特許
となります。
各法で問題作成のさじ加減の仕方が違うんですよ。
そこを法域間でごっちゃにしてはダメです。
例えば意匠法なんかでは重箱の隅をつつくような記述を見つけてきて
マニアックな問題を作るというのは十分にありです。
しかしそれでも範囲全体が非常に狭いので、じっくり対策立てた人
であれば対策できる全ての範囲を網羅することは難しくないでしょう。
それでいて斜め上の問題を出してくるのが本試験です。
特に特許庁の手先、熊谷健一が入ってからは悪質極まりないですね。
商標法はそこまで無茶ではない傾向ですが、それなりに細かいところを
聞いてきたりしますし、それなりに範囲も狭いので、
細かいところを聞いてきたとしても、それがそれでよいでしょう。
問題は特許法です。
特許法で重箱の隅をつつくような問題を作る人がいますが、
そういう問題はおそらく本試験では出ません。
範囲の広さに相反してテーマ選定はオーソドックスなのが
弁理士試験口述試験、特許法の特徴です。
じゃあ簡単かというとそうでなく、
「論文試験受験生にとって何となく頭に残っているが、
口述試験対策ばかりに取り組んできた人は意外に忘れている」
とこを狙うのが特許法の大きな特徴です。
口述試験というのは1年間それ用に勉強して対策してきた
人にとって本来有利な試験です。そこの部分の有利不利を
ひっくり返すように作ってあるのが特許法の最大の特徴です。
だから、口述落ちの人が結構特許法で引っかかると共に、
論文試験合格者は案外特許法だけは出来てたりします。
「ここは論文受験者の人にとって不利だな」
と思えるポイントがあったらおそらくそこは特許法では出ません。
再審とか罰則とか、出ないとは言い切れませんが、
準備期間の長さに左右される項目は出にくいでしょう。
PCTや実用新案なんかはさすがに断言できませんが、
傾向的には比較的出にくいと思われます。
部分的に狙ってくることはありうるので説明しにくいですが。
一方で補正や侵害のような繰り返し出ているところが
また改めて出るということは十分にありえます。
ずっと出ていなくても、論文試験受験生が網羅しがちな部分は
むしろ狙ってくると思った方が良いです。
そうやっていくと、特許法は案外狙いどころが絞れてくると思います。
基本は特許法と商標法で勝ち抜けるのがセオリーです。
特許法は狙いどころを絞り、意匠法は過去問を押さえ、
商標法を幅広く重点的にやっていくというのがお勧めパターンです。
あと、条文暗唱はなくならないと思います。
あのくだらない口述試験で何が役に立ったかというと
何だかんだで条文暗唱と言う人が多いです。
合格してから日々知識は抜けて行きますが、
無理に詰め込んだ分だけ案外後まで残ってたりします。
条文を片っ端から覚える勉強は結構大昔からこの試験で続いているので、
それをなくす方向にはならないのではないでしょうか。
私が考える出題のポイント、留意事項は以上です。