弁理士の知名度は高いのか
弁理士の知名度については低い低いと嘆く人をこの業界ではよく見かけるのですが、
実際のところどうなんでしょうか。自分はものすごく知名度の低い仕事という
先入観を持っているためか、今はこんなに知名度が高いんだと驚くことの方が多いです。
もちろんある一定以上の有識レベルという条件は付くのですが、
理系でなくても文系の人でも、割とそういう職業があるというのは
知っていたりするように思います。
なんて書くと、「そんなことないよ」という声があちこちから出てきそうですし、
面と向かって話しても否定する人が多いかなと思いますが、自分の感触ではそうです。
一方、有名企業の社員であるとして、その社名を出したときに理解される内容は、
多分実情とはだいぶずれがあるんじゃないかと思います。
司法書士みたいなもんというのが当たらずとは遠からずなのかと。
けど司法書士の仕事もいまいち理解できてはいないんですけどね。
大体一握りのわかりやすい職業を除けば、大抵は理解されるのって難しいと思いますよ。
そりゃパン屋とかケーキ屋、プロ野球選手とか漫画家は理解できるでしょうけど。
もっとも彼らが日常に抱えている現実というのは、ほとんど理解されてはないでしょう。
医者は診断を受けるから理解できるかもしれませんが、弁護士なんて絶対に誤解されてますよね。
我々は当事者として事実を伝えようと思うから、ますます理解させるのが困難に
なってしまいがちなだけで、職業というのは本来そんなもんじゃないかと思っています。
弁理士の知名度を上げたいという人は、多分「難関資格に受かったんですね、すごい」
と言ってもらいたいというのが本音なのかなという気もしなくもないです。
自分はそういう虚栄心が希薄なので、正直どうでもいいと思っている分、
意外と知られているなという感触になるのかもしれません。
まあ大企業にいた頃は「どこどこに勤務」と言えば大体みんな納得してもらえた点で
今より苦労は少なかったかもしれません。けどその情報で本当に納得されたのかというと
微妙と言えば微妙です。その時向こうから帰ってくる返事は、
自分はそこには関わってなかったよという話が大半です。
知的財産を必要とする業界は限られているので、そこへのアナウンスメントを
広げることには意味があると思いますが、広く一般に弁理士の知名度を上げよう
とする活動に何の意味があるのかは、自分の頭では全く理解できません。