「開業マニュアル」というもののうさんくささ
さあ独立開業しよう、と思いたつとします。まあ多分弁理士であろうが
それ以外の業種だろうがあまり違いはないんでしょうけど、
どうやって顧客を見つけ、事務所を運営していくか、その辺のプランに
まずは頭を悩ませることと思います。
そんな中で「開業マニュアル」と称するものにたどり着くことが
あると思いますが、それが大体読むと看板倒れなものがほとんどですよね。
独立して1年ちょっと経って思うのが、基本的に人まねで自分の事業を
立ち上げるというのは困難な時代になっています。
他業種がそうなのは承知のことと思いますが、弁理士の仕事もそうです。
大枠は既存のものを土台にしながら、自分のアレンジを加えて
いくことで、その独自性に顧客がつく、というそういう構造ですね。
自分なりにマーケットのゆがみを見つけて、その認識に賭けることで、
それを必要とする顧客がついてくる、という仕掛けだと思っています。
と言ってもそんな大げさな話ではなくて、ちょっと何か
視点が違えばよいのです。みんなよそと足並みそろえて何かしよう
としてますから、そこから踏み出しさえすればビジネスになります。
1年くらいやると、その辺の感覚が大体つかめてくる感じかと思います。
したがって、マニュアル化できないんですよね。
ですが、これから始めようという人は不安ですから、
人のものを踏襲して進めたいと思う、そんな不安心理に付け込んで、
「なんとかマニュアル」とかいうとキャッチーな感じになるのですが、
でもそれはよく読むとマニュアルなんかではありません。
まあいうことはもっともですが、よく読むと「あとは自分で考えなさい」
それはマニュアルとは言わないと思います。
マニュアルって何でしょうね。パソコンソフトのインストールマニュアル
ってありますよね。読むと、まずCDを挿入してください。
そしたら画面に何が出てくるのでここをクリックしてください。
何々を入力して、どこをチェックしてください。
家電製品だったら、梱包品一覧が入っていて、各部の説明があって、
まずはコンセントをつないで、配線してください、電源を投入して、
何々ボタンを押してください。。。それがマニュアルかと思います。
そう考えると「開業マニュアル」って違和感しか出てこないですよね。
自分で考えないと答えが出てこないものはマニュアルではありません。
そういうものを提供する人も、それを求める人も、
何かしらだます人、だまされる人の構図のような気がしてならないのです。
まあ所詮、言葉尻の話でしかないですけど。