弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士が独立開業するとどんな感じなのか

自分の周りで、比較的最近独立しましたとか、
これから独立します、という話を受けるようになってきました。
そしてまあ自分ももう独立したてでもないのだなあと
思ったりしています。

ここのところのブログの話題はこれがそういえば多いな
と思ったりしますが、ここのところずっとただ案件をやって
関連して発生する雑務をこなしつつ、
休みのときは体を休めるだけの日々なので、
業界事情から疎くなってきている感じがしています。
先日も他の弁理士と飲んでいて、最近どうよ的な
話を聞いていると、業界事情もなんかいろいろ様変わりで
自分の認識と違ってきているというのを思います。
そんな中、独立開業に関する話は比較的最新の情報
なのかもしれないので、そういう話を続けてみます。

ここ3年間を振り返って、繰り返しになりますけど、
何がきついというと、最初の1年の売り上げが立たない
時期をどうこなすかの部分になります。
貯蓄が減っていくのは精神的にも厳しいのですよね。
かといって楽もできるわけではなく、自分はいったい何を
やっているのかという気持ちになります。
別に貯蓄はしているのだから使えばいい話なのですが、
実際は気分的に使えないですね。
変に節約をして心も貧しくなっていきます。

そこをしのぐと逆に最初の一年よりも売り上げが下がった、
という話も聞いたことはないので、
翌年からは対前年比では増えていくはずです。
最初の1年の数字で、行けるかもとか
そういう判断になるのかなと思われます。

あとまあ中長期的には特許明細書を書く仕事の比重が
高くなっていきます。なんだかんだで依頼を受けやすいのが
特許出願の仕事です。ですので、書けないとなると
受任量の伸びが全然違ってくることになります。

あとこれも繰り返しになりますけど、受任可能業務の
バリエーションが多い方が売上への寄与は当然大きくなります。
ニッチな仕事は受け手も限られますので、
依頼人も発注先を見つけることが難しいです。
そういうのに巡り合える可能性が高いので、
勤務弁理士時代に引き出しは多くした方がよいでしょう。
「やったことがある」という程度で全然違います。

・・・大体独立絡みで雑談するとこういう話になります。
で、成功してよかったねという話になることもありますが、
こういうのって成功なのかというと謎です。
前に弁理士としての成功について絡まれたことがあったなあと
思い出しますが、何を成功というのか全く分かりません。
一番つらい時期は脱したかもしれませんが、楽にならないんですよね。
・・・仕上がった感じになれば成功者かもしれないですね。
だとすると道のりはまだまだ先です。

つまりまあ独立してよかったかというと、
前にも書きましたが考えてもよくわかりません。
ただ、ほかの選択肢が果たして自分にとって魅力的で
あったかというと、それも悩ましい部分です。
年齢的にも転職回数的にも引く手あまたという
訳でもなかったわけですので。

言えるのは、年数を重ねるごとに後戻りできないな、
という状況が進んで行っているということです。
独立したての頃は、ダメだったら畳んで転職すればいい、
くらいの気持ちがありましたけど、もう厳しいです。
手仕舞い関係が面倒なんですよね。

まあ一難去ってまた一難という日々なのですが、
独立している他の人の話を総合しても、
頑張れば一応は何とかなっている感じは
受けますので、やってみようという方は応援します。