業界最安値で料金表示してみたらひどい目にあった
弁理士に限ったことではないのですけれど、独立開業する際に、
どのような価格にするかというのは悩みどころになります。
高い料金ではお客様は来ないし、安すぎても自分の収入になりません。
しかしながら受任業務が増えないと事務所を継続していけない、
というジレンマとの兼ね合いが生じてきます。
自分やスタッフの業務の習熟度合いによる効率も
そこには加味されます。
上記の状況による適正価格というのが自ずと形成されてくる
ことになるのですが、適正価格としてはじき出したものが
業界最安値になってしまうということもあります。
また、独立したてでとにかく仕事が欲しいから、
できるだけ安く価格を設定するということもあり得ます。
そういうのを狙ってくるお客様もいたりします。
ただ、価格を目いっぱい安くすると変な客が来てしまう、
ということを言う先輩弁理士もいたりします。
そこは実際のところどうなんだろうということは
色々思ったりしました。
業界最安値で価格を出すと、多くはちゃんとしたお客様です。
価格が安いのだから、相手に手数をかけさせてはよくない、
ということをきちんと心得ているお客様は多いです。
しかしながら、とにかく安く、それでいてわがまま放題、
という方が、通常価格で提示をしている案件と比べて、
かなり多くなってしまう傾向があるのも事実です。
仕事が欲しかったときに、お客様からも価格交渉をしてきて、
どうも向こうでかなり用意するという状況で受けたら、
実際のところすごい手間がかかった案件がありました。
また受けたが最後、早くしろ早くしろ、とやたら差し込んでくる
方もいました。こういうのって安い料金で提示した場合の
お客様がほとんどです。料金を高めにしている案件
については、理不尽なことをおっしゃる方はほとんどいません。
厄介そうな相談者は、相談の段階ではじくようにはしていますが、
なかなかはじききれるものではありません。
ただし、そういうときほど、安値で受けていた方であることが多いです。
そうはいっても仕事がない、というケースも当然あり得ますので、
色んな兼ね合いのもとで価格が決まっていくことになります。
値決めは経営の重要な決定事項です。