弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士業務の中途受任や代理人変更時のトラブル

独立して結構たちましたので、既に出願された案件の
中途受任案件数はそれなりの数になりました。
お客様自身が出願されたり、又は他の弁理士を介して
出願された案件を中途受任することがあります。
そういう時にトラブルがないかは不安材料ですね。

トラブルと言っても別にもめ事がある訳ではありません。
しかし、想定外の面倒が発生するということがあります。
一番困ったなあと言うのが、ハンコが違うというものですね。
お客様自身で出願して、勝手が違うということで中途受任
するときに、自己出願の場合には、自身のハンコを
捺印されています。

そこから弊所で中途受任する場合には、委任状と共に
代理人受任届を提出することになります。
そこで委任状に捺印してくださいと言って押されたハンコが、
特許庁届け出時のハンコと異なるというものです。

厄介なのが、こちらからすると、どのハンコが最初に捺印
されていたかを確認するすべがないというものです。
特許庁からすれば、当然のことながら当初なされた
印鑑情報は秘密情報です。その時点で出願人との
関係性が証明されていない者に知らせる訳には行きません。

お客様には最初になされた印鑑を捺印してください
と伝えますが、どうやらどの印鑑かを忘れてしまったらしく、
特許庁に提出してから、印鑑が適正でない
という通知が来てしまいます。

どの書類にどのハンコを捺印したかは、自分で手続きをした
のであれば、自身で管理しないとそもそも手続きできない
と思うのですけどね。

通常出願から代理人に依頼する場合には印鑑が省略されるので、
その点の面倒はなくなります。
ただし、代理人変更時にも印鑑が提出されていることはあります。
出願、審査請求、補正書意見書、設定登録だけなら、
印鑑の提出は必要ないのですが、権利の移転、表示変更などで、
委任状および印鑑が提出されていることがあります。
その場合に、うっかりそのまま提出して特許庁から
印鑑が違うと指摘されることがあります。
そういうときは、また色々面倒が起こるのですね。

まあ皆さん、特許庁に手続した印鑑はどれかを管理しておきましょう。
でないと後々面倒です。