弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

若さとやりがいを強調する特許事務所はブラック

求人を見るのは私の趣味であるのですが、そこで思ったことを雑感的に書いていきます。
たまに「長期勤続によるキャリア形成のため・・」とかって
キーワード見ますよね?これは何のまじないなのと思ったら、
応募者に年齢制限かけたいときは、こういう呪文をつける必要があるんだそうです。

でも実際のところ若年層のほうがあっさりやめますよね。次も決まりやすいし。
理不尽なことへの耐性も年齢が上がるにつれ上がる気がします。
吸収のよさもこの業界に関しては年齢そんなに関係ないような。
まあ本音は給与水準抑えたいのと、年功序列ヒエラルキーに服させるためですね。
だから「年齢の割に年収が多く見込まれます」など
といわれると胡散臭さしか感じません。
歩合比率が高い仕事なんだから年齢の割に年収が多い
なんて当たり前じゃないですか。
年齢だけ上がっても年収上がらないわけですから。
年功で年収上がってくとこなんてこの業界レアですよ。

さて本題ですが、若さとやりがいを強調というのは、
多分特許事務所でなくてもブラックの予感がありますね。
年齢上がるごとに定着率は上がるのだから
その層が抜けてるってだけでお察しです。

やりがいなんてのも、いちいち強調しなくても自分で見つけるものです。
「仕事、面白いよ」などと妙なとこ強調するのはブラック感プンプンです。
「意識高い系」と通じるものがありますね。意識が高いのはいいことですが、
多分意識以外のすべてが低いのであろうと思われるケースのごとく。
やりがい以外のすべてが低いみたいな。
しかも主観的で客観性が低かったりして。

次に採用側に対して。
個人とか零細とかは求人打ってもあんまり応募来ないですよね。
やっぱり応募者も安定的に働きたいから
普通はある程度の規模を求めます。個人事務所のブログ見てると、
そんな簡単なことにも頭が回らない方が多いように思われます。
個人事務所は、それを挽回する何かがなければ基本的に魅力はないのです。

じゃあ応募がこないものかというとそんなこともないように思います。
求人ウォッチャーとしては、すぐに決まったと思われるのは2ケースあります。
・1つ目は、「年収700万以上」とはっきり打ち出したケース。
 所詮世の中金なんですよ。待遇の最低額をこの水準で出せば
 応募者はすぐに見つかります。
 そんなに出せないとか泣き言言ってはいけません。
 出せないってことは儲かってないってことです。
 仕事があってこなしてりゃいいってもんじゃありません。
 採算性はとても大事です。
 利益率が高まってて、それでいて忙しいようなら、
 そこで採用すべきですし、その場合はこの数字は出せますよね。
 零細にわざわざ来てくれるのに、安月給でこき使ってやろうなんて
 思ってませんか?零細はそんなとこ多いから見透かされてるんですよ。
・2つ目は、業態がユニークな場合です。
 単に明細書書いて中間やって、翻訳チェックなら大手に行きます。
 大方の弁理士特許技術者はそんなの飽き飽きしてるんですよ。
 それ以外の展望をはっきり打ち出せたところは人が来てますね。

つらつらと書きましたが何か参考になれば。