弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

少子化の問題ってのは多分話は単純

来週はいよいよ弁理士短答試験の合格発表を控え、関係する皆様は
いかがお過ごしでしょうか。まあ自己採点はされているでしょうし、
きっとボーダーは39点なんでしょうね。
そうは言ってもそわそわするでしょうし、口述落ちの方なんかだと
気が気ではなかったりするでしょう。

そういう時期は、そんな生臭い話より、
どこか遠い世界の話の方が良いかという感じで、表題のタイトルをつけてみました。

別に自分は学者でも行政の担当者でもないので、少子化の原因はこれだ、
なんてのを学術的に説明できるわけではないのですが、
得てして普通に考えればわかることに当事者は全然気づかない
ということも多かったりします。
安倍政権の支持率の根拠はアベノミクスですが、
ビルクリントンがit's economy, stupid.と言って以来の、
結局経済以外は政権支持率の決定要因にならないという不変の真理を、
この政権になるまで誰も気づかなかったという現状があります。

それはさておき、自分の家庭で子供を産むと想定したとき、

・自分は子供を養うのか、
・自分は子供に養ってもらうのか、

どちらがまず頭に浮かぶのかということです。

自分は子供に養ってもらうのだと思うような人は、
多分結婚出産してるでしょうね。
前者も結婚してたりしてなかったりしてそうですが、
子どもをほしいと思わない人は少なくとも前者でしょう。
結婚出産は自分にとって負担と思う男女が増えている時代です。

結局出産育児という投資行動は、リターンを産むものと想定されるかどうかで、
その期待値が下がった結果が少子化なんでしょう。

産めよ育てよの時代ってのは日本は豊かではなく、子供への投資予算は
衣食住くらいでした。そして、息子は自分以上に出世するだろうと期待して
子供に期待して教育をしていた時代があります。
戦前とか江戸時代になると、子供は労働力だったんですね。
ついでに言うと家事も重労働で、嫁に求める資質は体が頑丈である
という時代でした。

子供を産み育てて、ある程度大きくなったら助けてもらう。
そう思うからこそ出産が大事だったのであり、
負担に対するリターンの期待が下がって少子化になったということです。
少子化は先進国病だとか言いますが、子供に依拠するメンタリティは
多分発展途上国のものでしょうし、先進国になると消えていきますから。

じゃあいつまで少子化が続くのかというと、新出生児が自分より稼ぐ
そういう期待が持てるようになったらおそらく少子化は解消します。

例えば自分がなんとか大学にいて、子供が同じ大学に行くという公算、
そして卒業したとき、自分より稼ぐであろうという公算。
あんまり高くなさそうですね。
今就職は売り手市場とか言われていますが、そりゃ氷河期基準で見てるから
であって、バブル期とは言わないまでもそれ以前を比較対象に
しなければなりません。

地方の高卒の人の就職率はどうでしょうか。
昔は金の卵とかそういう言葉もあった時代です。
大卒が就職できるなんて当たり前です。
採用の人は若い人を採用できないなんて言っていますが、
若い人を採用できないなんて当たり前です。
若いときはどこでも就職できるから
とりあえずフリーターになったりするんです。

地方の高卒の人を採用で奪い合うようになった頃
初めて少子化は解消するんでしょう。
昔は若けりゃとりあえず採用してましたよね。
いつから選別するようになったんでしょうか。

政権が経済を重視するようになったのは良い傾向ですが、
企業にいい顔してると労働市場を企業に有利にするように
政策を要求されます。そうなると若い人の稼ぎの期待値が下がって
少子化にはプラスにならないということになるのかなという気がします。

まあ少子化対策なんて票にならないですからね。
票になる経済にたどり着くのにこれだけ年数がかかったくらいです。

少子化が困るなんて体制側の論理であって、
若い人が減って労働市場が逼迫した方が社会不安は
逆に解消するんじゃないのとそんな気がします。
70くらいまでは働けますし、貯蓄で80まで行ければ十分な気はします。
若い人がいないと困るなんて、自分が偉そうにしたいだけですよ。